理念か利益か、それが問題だ!

理念か利益か、それが問題だ!

独立開業する目的は何ですか?

こう問われたら、どう答えますか?

介護の分野で独立開業を目指しているわけですから、「超高齢化社会の日本で少しでも社会貢献ができるように」と、理想を語る人もいるでしょう。

逆に、超高齢化社会を迎えて市場が拡大するわけですから、「増加するニーズをとらえて、できるだけ収益を得たい」と、あくまでお金を儲けることを望んでいる現実派の人もいるでしょう。

その企業を評価するときの指標のひとつに企業理念があります。

使命感に裏付けされた崇高な企業理念を掲げる企業は少なくありません。

社長の本音は別にして、何より対外的な格好を考えると、そうなるのかもしれません。

逆に、「お金を儲けたいから」とはなかなか言えません。

しかし実際のところは、多くの人がそう思っていることでしょう。

理念か、利益か。

言い換えれば、やりがいか、儲けかとなります。

では、どちらがより強いモチベーションになるでしょうか?

人のためと思うとやる気がでるのか、自分のためにやっているほうが頑張れるのか。

人それぞれ違いますから。

でも、これは理想ではありませんが、介護は儲けだけを考えていてはできる仕事ではありません。

それほどたいへんなことであり、その分、人から感謝されること多い仕事でもあります。

常に儲かるわけではありません。

壁にぶつかることもあるでしょう。

そんなとき、儲けるためより、この仕事は人や社会の役に立っていると考えるほうが、立ち向かう力が出てくるはずです。

経営者は、理想ばかりを追いかけて、現実を見失ってはいけませんが、理想がなければ、辛い現実にも対応できないでしょう。

また、儲けを考えることは、どのようなビジネスの分野にも当てはめることができます。

しかし、この仕事にやりがいを感じていても、別の仕事に必ずしもやりがいを感じるかといえば、そうではありません。

もし、ひとつの加盟店を成功させたら、2号店の出店を考えるでしょう。

2号店ではなく、他の業種に参入するかもしれません。

事実、1店舗目で成功した人は、多店舗展開などに乗り出しています。

その際、やりがいを重視して仕事をしてきた人は、同じ業界で2号店を出すのが一般的です。

なぜなら、この仕事にやりがいを感じているからで、しかも、成功する確率は高いといえます。

一方、儲けを第一に考えてきた人は、普段から他に儲かる分野はないかと模索していますから、別の業界でチャレンジしがちです。

でも、残念ながら失敗することも少なくありません。

慣れない初めての分野では、1回目の成功体験が通用しないことも多いからです。

ビジネスですから儲けることを度外視してはいけませんが、理念ややりがいをもてたとき、より一歩、成功へと近づけるのではないでしょうか。

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