介護費用が払えるか不安だという人へ

介護費用が払えるか不安だという人へ

たとえ親の介護をすることになったとしても、介護サービスにかかる費用は親に出してもらうことが基本だと述べてきました。

しかし、親の経済力に余裕がないことも多々あります。

そのようなときはやはり子どもが負担しなければならないのでしょうか。

いや、そうではありません。

親に経済力がなくても、何とかなるということを説明しましょう。

平成28年に厚生労働省が発表した「国民生活基礎調査の現況」によると、夫が65歳以上、妻が60歳以上における高齢夫婦の無職世帯の実収入は、1カ月で22万2834円でした。

これが60歳以上の単身世帯となると、12万3325円となります。

しかし、もし親が自営業者だったりした場合、国民年金となり、月額は満額で約6万5000円です。

加えて、貯蓄はなければ、毎月取り崩すこともできず、6万5000円でやりくりしなければなりません。

しかも、全員が満額もらえるとは限りません。

これでは生活をして、そのうえで満足な介護サービスを受けることはてきません。

しかし、住民税非課税世帯ならば、介護費や医療費が大幅に減額されるのです。

住民税非課税世帯とは、生計を同じくしている世帯人員のすべてが住民税非課税である世帯のことで、住民税非課税の条件は、生活保護受給者とはじめとして、前年の合計所得額が135万円以下の未成年者や障害者、寡婦、寡夫、さらには、前年の合計所得額が居住地の自治体で決められた満額以下の方となります。

国民年金の受給者ならば、前年の合計所得額が居住地の自治体で決められた満額以下という条件をクリア可能です。

介護保険の利用料負担限度額は、課税世帯の場合、月額4万4400円ですが、住民税非課税世帯ならば、個人の場合、月額1万5000円で済みます。

高額療養費制度における医療費負担上限額は、課税世帯ならば、月額5万7600円ですが、非課税世帯ならば、外来と入院を合わせて1万5000円ですし、外来だけの通院ならば、8000円です。

入院時の食費は1日100円しかかかりません。

しかも、年間の合計額が19万円を超えると、高額医療・高額介護合算療養費制度によって払い戻しされます。

その他、特別養護老人ホームの利用料金も軽減され、さまざまな条件によって額は変わりますが、5、6万円ほどで入居できるでしょう。

これなら何とかなるかもしれないと思う人もいるでしょうが、6万円とすれば、それはほとんど国民年金と同額です。

これでは自由に使えるお金は残りません。

そのような場合、生活保護という方法が残っています。

生活保護の支給額は個人差がありますが、例えば、12万円とすれば、年金額の6万円は差し引かれ、6万円ほどの支給が可能です。

十分ではないかもしれませんが、普段は特養で生活できることを考えれば、生活保護の申請をして損はありません。

もし、親の介護をするために、あなた自身が親元で生活するとなったとき、同じ屋根の下で暮らすのだからといって、世帯を一緒にしないことです。

一緒になると、住民税課税世帯になり、これまであげた住民税非課税世帯に与えられた優遇措置が受けられなくなります。

親とは生活費を別にして、別世帯としてください。

もし、同じ世帯の扱いになっていれば、世帯分離の手続きをとることをお勧めします。

世帯分離とは、ひとつの世帯を同じ住所のまま、二つの世帯に分けることです。

写真付きの公的な身分証明書をもって、居住地の市町村役所の窓口へ行けば、手続きができます。

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