FC(フランチャイズ)で介護ビジネス?
FC(フランチャイズ)で介護ビジネス?
個人が介護ビジネスの世界に入ろうとするとき、介護職員として就職するか、介護の資格をとってスペシャリストとして活動するか、自身で介護事業を開業するかなどの選択肢があります。
介護事業といえば、老人ホームが思い浮かびますが、そのような事業を個人で行なうことができるのかと疑問に思う人もいるでしょう。
確かに、老人ホームを経営するには、広い土地やそれなりの規模の建物、さらには多数の職員が必要となります。
資金も個人が簡単に用意できるものではありません。
それでも介護分野における個人の独立開業は可能です。
では、その方法をちょっと紹介しましょう。
さまざまある介護サービスの中で、日帰りで通ってくる人たちに介護サービスを提供しているのがデイサービスです。
通称「デイ」ともいわれています。
提供している介護サービスには、入浴や食事などの日常生活での世話をはじめとして、お年寄りが少しでも自立した生活ができるようにするための機能訓練などがあり、それらのメニューから希望のものを選べるようになっています。
何やら病院に似たイメージをもつ人もいるかもしれませんが、用意されているサービスはそれだけではありません。
お年寄りが楽しめるような歌や体操、書道、生け花、陶芸などのリクリエーションも用意されていて、1日楽しく過ごすことができるのです。
しかも、行き帰りは車で送迎もしてもらえます。
これを通所介護といいますが、通所であるかぎり、運営者は施設をもっていなければなりません。
でも、通所介護には、大規模型と中規模型、小規模型に分かれており、中でも小規模型が増えてきました。
2006年から2015年の10年間で8248カ所から2万3763カ所へと約4倍に急拡大しています。
介護はできるだけ地域で行なうようにしていくという政府の意向もあり、2016年より市町村が指定、監督する地域密着型通所介護へと移行しました。
利用定員はなんと18人以下です。
これなら老人ホームのように数多くの部屋を有する必要もなく、例えば、普通の民家でも十分に運営はできます。
規模が小さくなると、施設にかける費用も少なくて済むようになり、それほどのお金をかけずに個人が独立開業している例は増えてきました。
そこで、最近ではフランチャイズビジネスをもとにして介護事業を始める企業も現れてきました。
フランチャイズビジネスはかなり一般的になってきましたが、正しく知っている人は少ないかもしれません。
フランチャイズビジネスとはいったいどのようなものでしょうか。
フランチャイズビジネスは、フランチャイズを展開する本部とそのビジネスに参加する加盟店によって構成されます。
本部は看板や商品、ビジネスのノウハウなどを提供し、加盟店はその対価を本部に支払うわけです。
対価は、加盟料をはじめとして、月々の加盟店の売上の一部(ロイヤリティ)などから構成されます。
介護現場で働いた経験のある人はいうまでもなく、たとえ未経験者であっても、フランチャイズビジネスに参加すれば、ビジネスの基本からノウハウや実践的な運営方法まで指導を受けることができますから、個人が独立開業する場合、特に介護分野で独立開業する場合、フランチャイズはもっとも大きな味方になってくれるでしょう。
介護分野においても先述したデイサービスだけではなく、訪問介護や要介護者への食事(弁当)サービス、見守り、緊急時対応、福祉用具の販売や貸与など、さまざまなフランチャイズビジネスが登場しています。
今回からは、個人がフランチャイズを利用して独立開業するためのノウハウをお伝えしましょう。