小渕隆志氏(新国際福祉カレッジ校長)インタビュー

小渕隆志氏(新国際福祉カレッジ校長)インタビュー

介護現場で働くために、そして介護の資格を取得するために、介護の専門学校は欠かせない存在です。次世代の介護を担う人材の養成機関でもあります。その現状はどうなっているのでしょうか。千葉県を代表する介護の専門学校である新国際福祉カレッジの小渕隆志校長に、介護を学ぶ人たちの実情をはじめとして、就職状況や専門学校の選び方、資格取得のための勉強法など多岐にわたってお話をお聞きました。

―――まず、新国際福祉カレッジさんの特徴を教えていただけますでしょうか。

小渕―介護福祉の受験資格に加え、社会福祉主事の任用資格を取得するコースと職業実践専門課程の認定を受けている現場実践コースの2つのコースを設置しています。

そのような千葉県では専門学校は本校のみです。

科目によっては、単元が終了するたびに小テストを実施して、とりわけ資格取得のために必要な知識が確実に身についているかを確認しています。

その他、文章表現練習や夏休みの補講、個別面談など、少人数制できめ細かい対応が可能です。

入学時には生徒全員にノートパソコンを貸し出しており、文書作成やプレゼンテーション能力の向上に努めています。

充実した授業の反面、授業料は他校と比較して学費は安く設定しているのも特徴のひとつです。

―――専門学校といえば、高校を卒業して入学するというイメージがありますが、生徒さんの年齢や性別などはいかがでしょうか。

小渕―社会福祉主事併修コースと現場実践コースを合わせて2学年制となっていて1クラス40人ですが、男女の大きな差はありません。

ただし、これはここ最近の例ですが、日本人はクラスによって1割から2割ほどで、残りは外国人もしくは留学生となります。

日本人は高校を卒業してすぐに入学する人もいますが、社会人も多く、中でも30歳代が目立ち、60歳を目前にした人が入学してくることも珍しくありません。

日本人の場合、介護職の経験者もいれば、未経験者もいます。

―――社会人が仕事を辞めて専門学校へ通うとなると、経済的にたいへんではないのですか?

小渕―雇用保険の対象となりますので、退職後もこれまでの給料のおよそ80パーセントが保証されます。

また、例えば、現場実践コースの場合、授業は月、火、水の3日間で、木曜日と金曜日は現場実践にあてられており、土日も含めれば、週に4日ほどは働くことが可能です。

外国人の場合、就学資金としても奨学金制度があります。

特に、千葉県の社会福祉協議会では、卒業後、5年間を千葉県内の介護施設に勤務することで、奨学金の返済が免除されますので、限りなく少ない負担で専門学校へ通うことができるわけです。

外国人の多くはアジア各国から来ています。

外国人はまず現地(母国)で日本語学校に通って、ひと通りの日本語を学んでくるのですが、本校では日常会話に問題がある人の入学は許可していません。

入学したとしても、肝心の授業についてこられないからです。

現地の日本語学校や本校の卒業生からの紹介でやってきますが、奨学金の保証人が多くの場合、日本の介護事業者なので、卒業すると、そこで働くことになります。

―――外国人の生徒や卒業後の職員としての評判はいかがでしょうか?

小渕―ほとんどの生徒は「日本でお金を稼ぎたい」という希望と高い志をもって日本へ来ます。

よって、おおむね真面目に勉強する人が多いといえるでしょう。

就職先の介護施設でも、外国人を求める傾向にあります。

一生懸命で愛想がいいという声が一般的です。

中でも、ネパールやスリランカの男性にはイケメンが多く、女性の利用者からも人気があり、場合によっては取り合いになるといいます(笑い)。

また、介護施設は女性の多い職場ですから、複雑な人間関係もありますが、外国人なのでそのような中に入らなくても済み、その種のトラブルにも無縁なことが多いようです。

―――逆に向いていない国の人もいますか?

小渕―どこの国というより、やはり大陸系の人たちはどちらかというと自己主張や気が強い傾向がみられます。

やはり高齢者は笑顔の人を好みます。

その点からいえば、東南アジアの人たちが日本人の高齢者には向いているのではないでしょうか。

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