資格試験を勝ち抜くカギは「願望の持続」
資格試験を勝ち抜くカギは「願望の持続」
資格試験はマラソンのようなものです。
とりわけ難易度が高まれば高まるほど、マラソンの要素は濃くなります。
日本の資格における最難関試験といえば司法試験です。
2012年からは新しい制度が実施されていますが、法科大学院を修了した場合は5回の受験制限があるものの、合格率は高まり、難易度は以前ほどではなくなりました。
以前は、大学を卒業してからずっと司法試験に挑み続け、40歳を超えてもまだ合格できないという例も珍しくはありませんでした。
そこまではいかなくても、多くの人たちが合格まで数年かかっています。
まさに人生をかけたマラソンです。
合格発表の様子はテレビのニュース番組にも取り上げられます。
記者の「今、何がしたいですか?」との質問に、ある合格者が「ゆっくり風呂に入りたい」と答えた姿が印象的でした。
なぜ、ここまでの苦労ができるのでしょうか。
プロ野球のヤクルトや阪神などの監督を務めた野村克也さんは多くの教訓を残しました。
そのひとつに「願望の持続」があります。
これは成功した名選手に共通している姿勢だということです。
名選手は努力を惜しみません。
努力をしないで名選手になった人はいないでしょう。
元阪神の名選手だった掛布雅之さんは、奥さんの親に結婚の許可をもらいに行ったとき、「いつもの時間になったから」と言って、話の途中で庭に出て素振りを始めたといいます。
なぜ、これほどの努力ができるのでしょうか?
「名選手になってお金を稼ぎたい」「名選手になって人気者になりたい」「名選手になって名を残したい」など、それぞれ「願望」は違うでしょうが、その思いを「持続」させたのだと野村さんは分析しているのです。
母子家庭で育ち、子どものころ決して豊かな環境ではなかった野村さんは、「名選手になりたい」という思いが人より強かったのでしょう。
資格試験においても「願望の持続」する人ほど合格しやすいといえます。
マラソンのようなものですから、途中でリタイヤしたくなるかもしれません。
実際、リタイヤする人はたくさんいます。
、
走っている途中で「歩きたい、走るのを止めたい」と思ったとき、「次の電柱まで」と思い、その電柱まで来たら、今度は「次の電柱まで」と自分に言い聞かせて走ってきたと、1968年のメキシコオリンピックのマラソンで銀メダルととった君原健二さんは言いました。
君原さんは、出場したマラソンで生涯一度もリタイヤしていないことでも知られています。
「介護福祉士になりたい」「ケアマネジャーになりたい」という強い気持ちがあれば、それは乗り越えられるはずです。
「資格でもとろうか」程度の気持ちで資格試験にチャレンジするなら、動機としては少し弱いかもしれません。
なぜ資格をとるのか、資格をとって何をしたいのかを、これから資格を目指す人は、勉強を始める前にまず自分自身に問いかけてください。
すでに勉強を始めている人で、壁にあたっている人は、本当に資格をとりたいのかを再確認することです。
これらが確認できれば、それがモチベーションとなり、もう一度、机に向かおうと思います。
机に向かうのは「今日から」、「今から」であって、決して「明日から」ではありません。
明日からやろうと思ってやれた人はあまりいませんから。