介護職員の給料はどのようにして決められるの?

介護職員の給料はどのようにして決められるの?

日本の介護にはさまざまな問題点があります。

そのひとつが介護に人が集まらない、つまり慢性的な人材不足です。

「きつい」「汚い」「危険」のいわゆる3Kの職場であることがその理由とされていますが、3Kの仕事は他にもあり、3Kにもかかわらず、介護ほど人材不足に悩んでいない業界もあります。

やはり、介護の場合、3Kに加えて、給料の安さが大きく影響しているのでしょう。

では、介護職員の給料はどのように決められているのでしょうか。

介護サービス事業者は、サービス料金を収益として事業所を運営していますが、サービス料金は利用者が支払う1割負担分と、保険料と税金を財源として国保連から支払われる残りの9割分で構成されています。

これを介護報酬といいますが、介護報酬とは介護職員の給料を指しているのではありません。

介護報酬は介護サービス事業者へ支払われますから、事業者はそこから介護職員の給料を人件費として支払っているのです。

よって、介護職員の給料は各事業者によって決められています。

一般的なサラリーマンの給

料を会社が決めていることと同じです。

介護職員の平均時給は約1300円

具体的な数字で見ていきましょう。

例えば、訪問介護で身体介護のサービスを30分以上1時間未満、行なった場合、得られる介護報酬は1単位を10円とした場合、3950円になります。

訪問した介護職員の給料を差し引いた分が事業者の取り分です。

また、事業者はその他の諸経費をこの中から支払わなければなりません。

このような収益構造の中で介護職員の給料は決められているのです。

介護職員の給料は、各事業所によってまちまちですし、人材不足が続く介護業界において優良な人材を確保したい事業者は、より良い待遇を提示して求人しなければなりません。

介護職員にとってより良い待遇とは何でしょうか?

それは働きやすい環境もあるでしょうが、やはり給料ということになります。

介護職員の平均時給は1300円ほどです。

この仕事は使命感が必要ですし、この仕事を選ぶ場合、給料の額とは別の要因も含まれます。それでも他の業種並みの額は支払いたいものです。

収益のほとんどを介護報酬に頼っている中で、提供する介護サービスの料金も法律で決められています。

収益を増加させるには、利用者の数を増やすしかありません。

それと同時に、運営にかかるコストを抑える必要があります。

ただし、抑えるコストの中に介護職員の人件費を含めてはいけません。

先に述べたように、いい人材が集まらないばかりか、提供する介護サービスの質の低下にもつながります。

介護サービス事業の経営者にも経営能力が求められる時代になりました。

安易な起業や参入はもとより、いわゆる“サラリーマン社長” ではなく、介護業界にも“プロ社長”による経営が求められる時代になりました。

政府では今後も給料の水準を上げようと模索しているようですが、あくまで介護職員の給料を決めるのは事業経営者なのです。

施設の離職率が施設選びの目安

介護には人が集まりにくいだけではなく、人の出入りが激しいことでも知られています。

介護を円滑に進めるうえで、要介護者である高齢者と介護職員の相性はとても重要です。

例えば、お目当ての介護職員に会えることをとても楽しみにして介護施設に通っている高齢者も少なくありません。

また、施設に通っていくうちに、要介護者と介護職員との間の信頼関係が深まることも多々あります。

ところが、その介護職員が突然退職することも珍しくなく、そのことで仲の良かった高齢者は気分が落ち込み、それが健康面に影響を及ぼすこともあるわけです。

介護職員の離職率の高さは、介護施設の評判も左右しますし、逆にいえば、介護施設を選ぶ際の目安にもなります。

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