参考書は買わないという選択

参考書は買わないという選択

資格試験のための講座を設けている専門学校の生徒の中には、参考書をもっていない人をときどき見かけることがあります。

こういった人たちの合格率はどうかといえば、確かな数字は出していませんし、実際はわかりませんが、意外にも合格している人は少なくありません。

なぜ、参考書もないのに合格できるのでしょうか?

答えは簡単で、市販の参考書をもっていないだけで、専門学校の講座で使用するテキストをもっているからです。

彼らはこれらのテキストを参考書の代わりとして使っています。

確かに、市販の参考書の中にはとても詳しい解説を載せているものもあり、専門学校のテキストに比べると分厚い作りになっていますが、そのすべてが合格のために必要かといえば、そうでもありません。

資格試験は、大学受験のように合格者の定員が決まっており、その枠の中に入るために競うものではありません。

資格を取得して仕事をする際に、必要な知識をもっているかどうかを確認するのが資格試験の主な目的です。

よって、一定の点数をとることができれば合格となります。

そのために必要な事項をまとめてあるのが専門学校のテキストです。

特に資格取得後に仕事をする際に必要な知識は限られているので、試験に出題されることもほぼ決まっています。

専門学校のテキストは試験で点数をとるため、ある意味で割り切って構成されていますし、出題頻度の高い項目が選別されていますから、効率よく勉強するにはこの種のテキストが最適なのです。

それにテキストは授業に則っています。

授業は、テキストの解説を講師の音声で聞くようなものです。

ただし、不明な点を調べるために、また、理解を深めるために参考書をもっている意義はあります。

それでも、これらは専門学校に通っているなら、講師に質問して解決すればいいのです。

このように、専門学校に通っている場合は、必ずしも参考書を買う必要はないのです。

資格試験を目指す多くの人たちは社会人です。

社会人は忙しく、学生のように十分な時間があるわけではありません。

仕事をしながらの受験となりますから、できるだけ効率よく時間を使う必要があります。

そのためには現実的な判断をしなければなりません。

中には、参考書に書いてあることのすべてを理解するのが合格の条件だと考えている人がいます。

これは理想です。

しかし、資格試験は理想を追い求めるものではありません。

また、勉強には参考書が必要という考え方は常識になっています。

理想や常識にとらわれることなく、合格するために自分にとってベストな方法を選んでください。

もちろん、専門学校のテキストで勉強するのがベストな方法であるという意味ではありません。

専門学校のテキストであっても参考書であっても、自分にとってやりやすい方法ならばいいのですから。

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