外国人職員の日本語教育

外国人職員の日本語教育

人材の確保と定着が、安定して介護事業を経営していくうえでのカギを握っていることはすでに述べました。

そして、その現実的で有効な方法として、外国人、それも特定技能をもつ外国人の雇用をお勧めしました。

特定技能は日本語能力試験のN4(4級)に合格していなければ、その資格を得られません。

しかも、この試験は日本へ入国する前の段階、つまり自分の国で一定の日本語教育を済ませているわけです。

日本語能力試験とはどのようなものなのでしょうか。

日本語能力試験とは、公益財団法人日本国際教育支援協会と独立行政法人国際交流基金が主催する日本語能力を認定する検定試験です。

公的資格であり、日本語を母国語としない人を対象にして、日本を含めた世界87カ国で実施されています。

試験のレベルはN1からN5までの5段階。

ちなみに、この「N」はNihongoやNewを表しています。

それぞれのレベルの概要は以下のとおりです。

N1・・・幅広い場面で使われる日本語を理解することができる

N2・・・日常的な場面で使われる日本語の理解に加え、より幅広い場面で使われる日本語をある程度理解することができる

N3・・・日常的な場面で使われる日本語をある程度理解することができる

N4・・・基本的な日本語を理解することができる

N5・・・基本的な日本語をある程度理解することができる

特定技能をもつ外国人の場合、受け入れ側が採用を希望すれば、およそ6カ月から8カ月後には日本へ来ることができますし、すぐに職場で働くこともできます。

もちろん、外国人に限らず、たとえ日本人であっても職場や仕事に慣れるまでには一定の時間が必要です。

特定技能の人はN4の資格をもっていますから、「基本的な日本語を理解することができる」ので、おおよその指示などは理解できるでしょう。

入浴をはじめとして、排せつやおむつ交換、体の清拭などの身体介護、持病をもつ場合は看護、さらにはリハビリなどが、要介護者に提供される主なサービスです。

この中で専門的で高度な技術や知識が必要な看護やリハビリは、看護師や理学療法士などが担当しますが、身体介護は入職したばかりの外国人も行ないます。

ところが、例えばデイサービスやショートステイで施設を訪れる高齢者の中には、施設で行なわれるレクリエーションへの参加を目的にしている人も少なくありません。

また、介護職員との会話を楽しみにしている人もいます。

しかし、来日してすぐに、施設にやってくる高齢者と会話を楽しむことができる外国人職員はほとんどいないといえるでしょう。

特定技能の在留資格は5年です。

5年の時間があれば、日本語能力が飛躍的に伸びますから、彼らの日本語能力を高めるためにも何より職員間での活発なコミュニケーションが求められます。

彼らの日本語能力が高まれば、利用者にも喜ばれますし、施設にとっても大きなメリットになるはずです。

彼らにやる気と才能があれば、介護福祉士へのステップアップを勧めてみてはどうでしょうか。

介護福祉士がいれば、施設にとっても大きな戦力になりますし、もし、ひとり誕生すれば、施設の人員基準が変更されるので、より多くの利用者を受け入れられるようになります。

社会福祉士を受験するには、厚生労働省が指定する養成施設を修了しなければなりません。

この養成施設に外国人が入学するとき、N2を条件としているところもあります。

いずれにしても、よりいっそうの日本語能力が求められるわけです。

日本に在住する外国人のための日本語スクールがあります。

施設の将来を見据えての先行投資として、彼らを日本語スクールや養成施設へ通わせることも検討してみてはどうでしょうか。

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