外国人の雇用 技能実習制度と特定技能

外国人の雇用 技能実習制度特定技能

今、介護施設は生き残りをかけて奮闘しています。

中でも、カギを握っているのが人材の確保と定着であると述べました。

そして、現実的な方法として外国人の雇用を提案しました。

ただし、外国人はさまざまな約束事があり、いつでも誰でも簡単に雇えるわけではありません。

外国人の雇用方法といっても、いくつかの種類があります。まず、それをあげてみましょう。

EPA・介護ビザ・技能実習制度・特定技能

各国は自国の経済を守るために規制を設けていますが、これらを撤廃し、人や物、金が自由に国境を越えるグローバル経済が世界的な流れとなっています。

撤廃後のルールを取りまとめたのが自由貿易協定です。

一時期、マスコミを騒がせたTPP(環太平洋パートナーシップ協定)もそのひとつとなります。

TPPはその名のとおり、太平洋を囲む各国で締結されましたが、主に2国間で結ばれることが多い自由貿易協定もあり、その代表的なものがEPA(経済連携協定)です。

介護分野で日本は、ベトナムとフィリピン、インドネシアとEPAを締結しています。

しかし、日本に来る外国人の要件は厳しく、受け入れる側の施設も、医療法人か社会福祉法人でなければなりません。

さらに、相手国にとっての目的はあくまで日本の高度な介護技術やノウハウの習得であり、この制度自体は日本における人材不足に対応しているわけではありません。

施設にとって人材を確保する方法としては、あまり現実的ではないといえるでしょう。

外国人が日本で働く場合、就労ビザが必要です。

ところが、これまで介護職員として働くことができる就労ビザは日本にはありませんでした。

それが2018年から介護ビザが就労ビザとして認められました。

介護ビザは在留資格のひとつになったのです。

ただし、この資格は簡単にはとれません。

日本の介護福祉士の資格を取得していることが条件となっているからです。

人材不足を解消しようとして外国人を雇用するにしても、介護福祉士の資格をもった外国人を探すのはたいへんでしょう。

介護福祉士は日本人でもなかなか取れない資格だからです。

その他、日本の介護施設と雇用契約を結んでいることなど、条件が複数あります。

残るは技能実習制度特定技能です。

技能実習制度とは、外国人が日本で学んだ技術や経験を自国に持ち帰って生かすために始まった制度で、2016年から介護分野も追加されました。

従来では、日本へ入国後、一定の研修期間が設けられていましたが、今では入管法が改正され、入国後、1カ月間の講習を受ければ、仕事ができるようになったのです。

日本で技術などを学び、自国へ技術移転することが理念であり、目的ですが、実情は日本の人手不足の解消となっている面は否定できません。

労働力の確保と捉えている経営者と成長意欲に欠ける技能実習生が少なからずいることから、いったん日本へ入国したものの、いつの間にか行方不明になっている人が数千人もいるということです。

でも、技能実習制度を利用した人材の確保は、外国人にとっても、受け入れる側の施設にとっても、ハードルの低い現実的な方法といえるでしょう。

もうひとつが特定技能です。

正しくは、特定技能という在留資格をもった外国人の雇用となります。

これは2019年から始まったあくまで就労目的の制度です。

この制度が適用されるのは外食産業や宿泊業、そして介護など、合計14分野に及びます。

この14分野は人材不足が極めて深刻です。

外国人の雇用を抜きして産業自体が成り立たない状況となっています。

介護だけでも今後5年間でこの制度を用いた新規就労者はおよそ6万人と見込まれており、外国人を雇用するうえでもっとも現実的で、しかも有望な方法といえるでしょう。

条件としては一定の日本語能力と技術が求められます。

日本に来る前に、自国における経験も必要です。

また、介護施設の職員として働くことはできますが、訪問介護に携わることはできません。

ただし、何ごとにもメリットとデメリットがあります。

それは次回に。

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