介護事業者としてあればうれしい周辺サービス
介護事業者としてあればうれしい周辺サービス
介護事業を経営していると、さまざまな問題に出くわします。
もちろん、自分自身で、そして、職員の協力を得て解決しなければなりません。
しかし、すべてを内部で対応することは、人的な面でも、コスト面でも、決して現実的ではありません。
外部の業者を対象として、「こんなサービスがあればいいのに」と願っている介護事業者はおそらく少なからずいることでしょう。
その場合、職員の負担軽減が導入の目的や動機となります。
介護事業も生き残りをかけた競争の時代に入りました。
介護事業者は、高齢者にサービスを提供して利益を上げているわけですから、他とは異なる新しいサービスを模索しており、それをビジネスの柱にしたいと考えています。
今回は、介護事業の現状とそこから求められるこの分野の周辺サービスについてみていきましょう。
最大の要望はコスト削減
有料老人ホームなど、介護保険制度の適用を受けない介護サービスを提供している事業者では、新しいサービスを始めるにしても、それが利用者のニーズに合えば、そして、その料金が利用者の懐事情に合致していれば、積極的に導入することになるでしょう。
これらの事業者は、介護保険制度に縛られない自由競争をしており、まさしく新しいサービスは利益をあげるための手段となるわけです。
しかし、介護保険制度に則って介護サービスを提供している事業者では、さまざまな規制があるわけですから、介護保険の対象にならない介護サービスを導入すれば、それは事業者が負担しなければなりません。
そこで、どうしてもこうした事業者は、新しいサービスに「コスト削減」を求める傾向にあります。
そのキーワードはまさしく「安い」「高品質」です。
ただし、事業者側が負担している例もあります。
例えば、施設で生活する要介護者の中には、毎日の散歩を楽しむ人が少なくありません。
こういった外出好きな人の中でも、認知症が進んでいる人は、1日で1度も外出しないと、夜になって暴れることもあるのです。
そうなると、他の入居者に迷惑になりますし、職員は暴れる認知症の人に対応を強いられることとなり、施設が受けるマイナスの影響ははかり知れません。
そこで、このような人には、毎日、散歩や外出をしてもらうこととなりますが、散歩などにつき添ってくれる人が必要となります。
ただし、職員は他の仕事で手いっぱいということもあり、結局、外部に依頼することになるのです。
この種の“仕事”は、シルバー人材センターに依頼することも多いと聞きます。
散歩のつき添いに介護保険は適用されません。
よって、シルバー人材センターの利用料金は介護事業者が代わって支払うことになりますが、それでも散歩に行かなかったときに事業者が抱える負担を考慮すれば、外部委託のほうが負担も軽く、そして、総合的なコストも安くて済むことになります。
有料老人ホームなどでは、入居者に楽しんでもらうためにレクリエーションを提供していますが、悩みの種となっているのが、レクリエーションのマンネリ化です。
カラオケをはじめとして、体操や落語など、新しいコンテンツを求めており、そのようなニーズを捉えて、カラオケでお馴染みのジョイサウンドを展開する株式会社エクシングでは、カラオケや体操、さまざまな映像などが楽しめる機器『健康王国』を開発しました。
『健康王国』によるコンテンツは、統合医療の面からも評価されており、施設における新しいレクリエーションの形として注目されています。
有料老人ホームは、入居者の出入りが激しいことでも知られており、入居者が気に入らなければ、転居となることも珍しくありません。
レクリエーションにおける魅力あるコンテンツの提供は、施設にとっても死活問題なのです。
施設側に問題がなくても、入居者がその後、認知症になった場合、施設の良し悪しなどに関する判断力が衰えていると家族が考え、料金の安い施設へ引っ越すといったこともよくみられます。