小渕隆志氏(新国際福祉カレッジ校長)インタビュー その4
小渕隆志氏(新国際福祉カレッジ校長)インタビュー その4
千葉県を代表する介護の専門学校である新国際福祉カレッジの小渕隆志校長に、介護を学ぶ人たちの実情をはじめとして、就職状況や専門学校の選び方、資格取得のための勉強法など多岐にわたるインタビューの最終回です。
―――御校における就職支援とはどのようなものでしょうか?
小渕―授業は少人数制で実施していますが、就職指導は、担任制を導入し、生徒の自主性を尊重しながら親身になって個別にアドバイスしています。
具体的には、模擬面接や論文の書き方など、きめ細かい指導を心がけてきました。
就職を指導する教員はジョブカード作成アドバイザーの資格を有するその分野のスペシャリストです。
よって、生徒一人ひとりの作成した履歴書を丁寧に添削することもできます。
生徒にはそれぞれの希望の就職先があり、そこへ就職できるように全力でサポートするのも本校の方針です。
―――卒業生の就職状況はいかがでしょうか?
小渕―就職率は100パーセントといっても過言ではありません。
つき合いのある施設や系列の施設へ就職する生徒もいますし、これまで就職浪人はほとんどいません。
本校は千葉県の四街道市にありますから、生徒のほとんどは千葉県内から通学しています。
就職先も自宅から近い千葉県内を希望する生徒がほとんどです。
やはり、安定していることを第一条件にする傾向があります。
その点では、卒業生は民間企業が経営している、施設よりは、比較的経営面が安定していて待遇面が手厚い特別養護老人ホームに就職するケースが多い傾向にあります。
ただし、生徒の中には母子家庭のお母さんもいて、彼女たちはどちらかといえばデイサービスセンターを希望します。
なぜなら、給料はそれほど高くはないものの、夜勤がないからです。
ただし、本校を卒業すると、必ず就職するとは限りません。
卒業後、4年制大学へ入学することもできますから、その編入学の指導も行なっています。
―――御校の卒業生の多くは、将来、介護福祉士として活躍することになるわけですが、介護福祉士の実際の職場はどのようなところですか?
小渕―介護老人保健施設や老人福祉施設などが中心となりますが、高齢者のための介護施設ばかりではありません。
身体障害者更生施設も有力な就職先ですし、病院における看護補助のケアワーカーや家庭に派遣されるホームヘルパーとして働く人もいます。
また、今後急成長するといわれている民間企業の介護サービス部門への就職も増えていくことでしょう。
―――最後に、介護業界に携わる人たちにメッセージをいただけますでしょうか。
小渕―介護の仕事は、どうしてもネガティブなイメージがつきまとい、「きつい」「汚い」「危険」のいわゆる3Kの仕事といわれています。
介護の仕事をしているとわかると、決まって「たいへんですね」と言われます。
でも、仕事はどんな仕事であってもたいへんです。
介護の仕事は、人と人とが素で対応できるとても人間味のある仕事だと思います。
これまでこの仕事を通じて私は、苦労もありましたが、自立支援を通じて利用者様やご家族と一緒に涙を流すような感動体験を数々してきました。
こんな仕事は他にはありません。
介護の3Kは、「感謝」「感動」「希望」の3Kなのです。
今後、介護の世界に入ろうとする人は、なぜ、介護の仕事をしたいのか。
その動機や志を大切にしてほしいと思います。
―――たいへんありがとうございました。