「統計のマジック」に要注意!
「統計のマジック」に要注意!
本部を選ぶときに売上高はチェックポイントのひとつです。
以前にも紹介しましたが、もう一度、ハンバーガーチェーンの売上高ランキングを見てみましょう。
1位はマクドナルドで2536億円(2017年))、2位がモスバーガーで713億円(2018年)、3位がロッテリアで267億円(2016年)です。
そして、フレッシュネスバーガー、ファーストキッチン、バーガーキングと続きます。
この数字だけを見れば、マクドナルドは業界の巨人で、信頼性も高く、このフランチャイズチェーンに入れば、成功できそうな気がしてもおかしくありません。
では、店舗数はどうでしょうか。
1位はやはりマクドナルドで2896店舗、2位はモスバーガーで約1300店舗、3位はロッテリアで344店舗です。
売上順位と同じですが、売上においてマックとモスは3倍以上の開きがあるものの、店舗数では2倍と少しの差しかありません。
つまり、1店舗あたりの売上ではモスのほうがマックを上まわっていることになります。
だからといって、1店舗当たりの売上が大きいモスの加盟店になったほうが成功しやすいといっているわけではありません。
1店舗あたりの売上も本部選びの際の目安になりますから、売上高というひとつの数字に左右されず、多角的な面で本部を比較しなければなりません。
1店舗あたりの売上でいえば、気をつけなければならない点がいくつもあります。
「1店舗あたり」とは、全店の平均売上のことです。
平均ですから、この数字以上の売上を上げている店舗もあれば、平均よりもかなり低い売上しかない店舗もあります。
店舗において提供するメニュー(商品)は同じですし、本部の指導や支援も平等です。
加盟店の経営力の差もありますが、何より飲食店の場合は、立地条件が売上を大きく左右します。
フランチャイズ本部の売上が高いからといって、加盟すれば必ず成功できるとはいえないのと同じように、1店舗あたりの売上が高いからといって、加盟店にとって有利だとは必ずしもいえません。
「統計のマジック」という言葉があります。
発表された統計からはさまざまなことを読みとることが可能です。
最初から騙すつもりで、意図的に誤った数字をもとにして発表された統計もありますが、正しい数字をもとにして算定された統計であっても、解釈の仕方によって180度異なる判断ができます。
フランチャイズ本部全体の売上と1店舗あたりの売上の違いも、前述のように解釈によって異なるわけです。
統計にはさまざまな意味があり、複数の統計を見比べることによって、真実の姿が明らかになります。
本部を選ぶ際、そのような見方をしなければならないことも覚えておかなければなりません。