補助金申請に採択されやすいサロンビジネス

補助金申請に採択されやすいサロンビジネス

ポストコロナを見据えて、新分野展開や事業転換など、思いきった事業再構築に取り組む中小企業を応援する制度として始まった緊急事態宣言特別枠としての事業再構築補助金。

その上限額が6000万円にも及ぶとして中小企業の間でも注目される中、介護事業の分野では、給食・配食ビジネスとサロンビジネスの採択数が多いとの結果が出ました。

前回に引き続き、今回はサロンビジネスの概要について紹介しましょう。

こんな笑い話があります。

あるクリニックの待合室での会話です。

あるおばあさんが、「今日は〇〇さん来ていないみたいね」と尋ねたところ、クリニックで顔なじみになった別のおばあさんが、「今日、〇〇さんは体調が悪いんですって」と言ったといいます。

国民皆保険制度のおかげで、高齢者はほとんど医療費をかけずに受診できることから、街のクリニックが高齢者のサロン化していることを皮肉ったジョークです。

配偶者に先立たれたり、チャイルドレスだったり、または独身を貫いたりしたことにより、一人暮らしの高齢者が増えています。

一人暮らしの高齢者は社会的な孤立を招き、認知症の発症を高めたり、孤独死に陥ったりするなどとして、社会問題化してきました。

こういった問題を防ぐためにも、高齢者の「集いの場所」が必要となってきました。

政府は、それを国や自治体が用意するのではなく、民間に委ねようとしています。

それがサロンビジネスです。

政府としては、サロンとして使われる場所の新設はもちろんのこと、現在、高齢者の集いの場所となっているデイサービスも減らしたいという意向があります。

今後は、要介護度の低い人は地域で支援していこう、つまり、介護保険制度では支援しないということです。

これまでもパソコン教室や寝たきり予防のための軽い運動などを実施しているところもありました。

一方で、みんなで歌を歌ったり、玉入れなどのレクリエーションをしたりしてきました。

ところが、団塊の世代が高齢者となり、いつまでも歌といえば、美空ひばりや演歌、さらには民謡や童謡、軍歌ではないという世代となっています。

個人の趣味や趣向もさまざまなのです。

それを無理やりやらせても、お客さんである高齢者はついてきません。

老人の楽しみ方やニーズは地域によっても同じではありません。

高齢者それぞれが楽しめるコンテンツを提供できるところが生き残るでしょう。

娯楽ではない新しい流れを出始めています。

アメリカでは、ハンドメイドで作品を作り、インターネットを通じて販売するノウハウを提供するサロンも登場しました。

「協働」を意味するコワーキングのスペースを提供しているのです。

高齢者といっても、「働きたい」「社会貢献をしたい」「儲けたい」という気持ちはありますから。

日本では、徳島県上勝町の高齢者が里山の葉っぱや花を収穫し、料理のつまとして料亭などに出荷する“葉っぱビジネス”が高齢者に生きがいを与えたとして有名です。

デイサービスに参加するとシールがもらえて、それを集めると景品がもらえるというサービスを始めた施設もありましたが、射幸心をあおるとして条例で禁止されました。

1度の利用が30分限定のフィットネスクラブとして全国展開をしているカーブスを多くの高齢者が利用し始めました。

株式会社ワイズではダイエットのCMで一躍有名となったライザップのリハビリ版をスタートさせました。

ここでは、「文字を書けるようになる」ということなどを「コミットする」のがうたい文句となっています。

本来、男性は外出したがりません。

外に出たがらない高齢者をいかにして呼び込むかが最大の課題となるでしょう。

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