介護施設が求める人材とは
介護施設が求める人材とは
介護の現場で働こうとしているあなた。どのようなタイプの人が求められているのでしょうか。それを知ることで、面接時にアピールすることが可能です。
求められる人材についてはいろんなことがいわれています。しかし、どうも建前が多いようです。ここでは現場から聞こえてくる本音を紹介したいと思います。
よくいわれるのが「思いやりのある人」です。
しかし、介護の仕事をしようとする人は、人の役に立ちたい、高齢者が快適に暮らせるようにサポートしたいと思っている人が多く、誰もが思いやりをもっています。
面接の場で思いやりがあることをアピールしても、それほどの“得点”にはなりません。
「その場、その場の判断力がある人」
これもよくいわれます。しかし、介護の現場も医療現場と同じで、最近ではチームプレーで進めることが一般的になってきました。
自分で勝手な判断をするよりは、先輩や上司、同僚に聞くことです。
「経営者の感覚を身につける」
これは一般企業へ就職するときによくいわれることですが、介護施設ではそれほど求められてはいません。
また、「その企業がもつ理念に共感する」ことも大切だという人がいますが、何より企業として、施設として独自の理念をもっているところはそれほど多くはありません。
昔から介護事業に携わってきた大手の法人や伝統のある法人は別ですが、最近になって、例えば、ゼネコンが異業種参入として始める介護事業にそのような大仰な理念はほとんどないといえるでしょう。
では、実際に求められている人材はどのようなタイプでしょうか。
ランキングをつけて発表しましょう。
まず第3位です。
「自分で工夫できる人」
考えながら仕事をする人と言い換えてもいいでしょう。
指示されたことをそのままやっているだけではダメなのです。それならロボットでもできますから。ロボットの導入が介護現場では進んでいますが・・・。
第2位は「コミュニケーション能力がある人」。
日本経済団体連合会の「新卒採用に関するアンケート調査結果」によると、新卒採用の際に重視する点として「コミュニケーション能力」が15年連続で1位となっています。
では、コミュニケーション能力とは何でしょうか。
仕事をするうえで目的を達成するには、周囲との協調が不可欠です。そのためにフレキシブルな対応ができる能力をコミュニケーション能力といっていいでしょう。
他者とのかかわりをもつために必要な能力ともいえます。
具体的には、「(自分の意思を)伝える能力」「(他人の意見を)受け取る能力」「空気を読む能力」です。
コミュニケーション能力を個々がもつことで、チームや職員全体のパフォーマンス能力が高まり、結果として、介護の場合でいえば、施設全体の業績が上がります。
そして第1位は、「精神的に強い人」です。
どんな仕事であっても体力は欠かせません。介護の分野では、加えて精神力が必要となります。
介護の職場ではすぐに辞めてしまう人が後を絶ちません。離職率の高さが大きな問題となっています。
そして、辞める理由で目立つのが「人間関係」です。職場の同僚との人間関係もあれば、利用者である高齢者との人間関係もあります。
介護の仕事の特殊さも影響しているでしょう。排せつの補助などは、簡単に馴染めるものではありません。
介護の現場ではさまざまなストレスが降りかかってきます。ここでいう精神力とは、ストレス耐性力と感情をコントロールする力ともいえるでしょう。