実際、介護の仕事をしている人の給料はいくらくらいなの?

実際、介護の仕事をしている人の給料はいくらくらいなの?

介護分野は人材不足が続いています。

「介護は3Kの仕事」と考えられてきました。

3Kは、「きつい」「きたない」「危険」の略です。

そのすべてが当てはまるわけでもありませんが、さらに、「介護の仕事は給料が安い」ともいわれており、市場は大きく、ニーズがあるにもかかわらず、この仕事を選ぶ人はいっこうに増えません。

実情はどうなのでしょうか?

やはりイメージのとおりなのでしょうか?

数字は正直です。

数字を見ていきましょう。

介護職員の平均給料

厚生労働省が発表した平成30度(2018年)介護従事者処遇状況等調査結果によると、勤続年数1年の介護職員の平均給料は27万740円です。

これが、勤続5年から9年になると平均給料は29万5420円となり、10年以上になると33万4140円となります。

この分野では、勤続年数が重なると経験値も上がるので給料もアップすると考えていいでしょう。

国税庁による日本人の平均月収が約36万円なので、それに比べると低いといえます。

ただし、この数字は、日本人全体の平均なので、年齢でいえば46.4歳、平均勤続年数が12.2歳ですから、その分は割り引いて考えなければなりません。

また、給料の安い外国人を雇用していることが、平均給料の額を押し下げている要因になっている可能性があります。

全体的な数字だけで判断すると、確かに「給料は安い」といえますが、他の業種にはないプラスの部分も見逃せません。

一般のサラリーマンの世界で年功序列は崩壊したといっても過言ではありません。

むしろ勤続年数が長く年齢を重ねたとしても、給料がアップするという保証はなくなりました。

その点、介護の分野では、勤続年数を重ねれば給料が上がることは先述の数字からも明らかです。

さらに、資格の有無によっても給料は変わります。

資格のない職員の平均月収は26万1600円ですが、初任者研修修了者は28万5610円、実務者研修修了者は28万8060円、介護福祉士は31万3920円となり、資格を取得すれば、それだけ高い給料をもらえるのが実情です。

介護従事者処遇状況等調査結果の注意点を述べておきましょう。 

この統計は「介護職員処遇改善加算」を取得している事業者をもとに算出されているので、取得していない事業者は一般的にこの額よりも低くなります。

介護職員処遇改善加算とは、キャリアアップする仕組みを作ったり、職場環境の改善を行なったりして、雇用している職員の待遇の改善に努めた事業者に対して、職員の給料改善のために支給されるものです。

全介護サービス事業者の約9割が取得しています。

介護業界の人材不足には2つの側面があり、ひとつは介護業界へ就職する人が少ないこと、もうひとつは介護の仕事を辞める人が多いこと、つまり離職率が高いことです。

一般的な経済学の考え方でいえば、職場環境を改善することで人材不足は解消されます。

もっとも有効な改善方法は給料のアップです。

よって、介護業界の給料は上がらなければなりません。

人材不足になると、自ずと給料はアップされる傾向にあります。

さらに、高いスキルをもつ職員は、介護事業の経営者にとっても魅力的です。

介護職員の質を高めることは、私たち利用者にとっても大きなメリットになります。

そのために介護職員の給料を上げる必要があるのなら、私たちもそれ相応の負担を覚悟しなければなりません。

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