どうしたら介護サービスを受けられるの?
要支援や要介護ってナニ?
もし、あなたやあなたの親が要介護状態になったとしても、つまり、介護が必要になったとしても、今日や明日からすぐに介護サービスを受けられるかといえば、そうではありません。
これがけっこうたいへんなのです。
まず、あなたや親の住んでいる市町村の窓口へ申請します。
そして認定を受けなければなりません。
それは、介護を希望する者が本当に介護を必要としているかどうか、そして介護を必要とする“程度”を決めるためです。
この認定にはまた時間がかかり、一般的には申請から30日以内に通知されることになっています。
このときに決定される“介護の程度”が要介護度であり、要支援や要介護として表されるわけです。
軽い順に「要支援1」「要支援2」、そして「要介護1」「要介護2」「要介護3」「要介護4」「要介護5」となります。
もっとも重い「要介護5」は、ほぼ寝たきりの状態と考えてください。
要支援であっても要介護であっても、身体上もしくは精神上の障害があることは同じです。
そのため入浴や食事、排泄などの全部または一部について介護を必要とする状態のことを指しています。
状態が重くなるに従って介護サービスを受ける時間も支給される限度額も増えてくるわけです。
そして、認定と同時に介護保険被保険者証が発行されます。
これには先ほどの要介護度が要介護状態区分等として記載されます。
介護サービスを受けるには必ず被保険者証が必要です。
被保険者証には有効期間があり、初回は原則として6カ月で、その後は12カ月ごとの更新となります。
どうでしょう。
誰でも介護サービスを受けられるということに間違いはありませんが、すぐに介護サービスは受けられないことはわかっていただけたと思います。
お役所仕事といってしまえば、それまでなのですが、これも公平で公正に制度を運営するための“コスト”として少しは辛坊しなければなりません。
認定に時間がかかるのも、その内容を知れば、少しばかりは納得してもらえるかもしれません。
そのあたりのことを少しの説明しておきましょう。
介護を申請すると、まず市町村は申請者の自宅へ調査員を派遣し、認定調査を行ないます。
申請者は、主治医に依頼して、主治医意見書を作成してもらわなければなりません。
認定調査の結果と主治医意見書をもとにして、介護に必要な時間(要介護認定基準時間)が決定されます。
でも、これで終了というわけではありません。
これが1次判定です。
次に、要介護度および認定有効期間を決定する2次判定へと移ります。
これを判定するのは、市町村の付属機関であり、医師や介護支援専門員などで構成される介護認定審査会です。
このような過程を通じて結果が申請者に通知されるわけですから、時間がかかるのも仕方がないかもしれません。
安心してください。
もう次はありません。
これが最終決定です。
ちなみに、要介護度や要支援度は決定されると、それが生涯にわたって続くわけではありません。
健康状態や要介護状態に変化があれば、それとともに要介護度や要支援度も変わります。
その都度、認定を受け直すことになるわけです。