そもそも介護保険ってどんなもの?
そもそも介護保険ってどんなもの?
万が一、私たちは病気になっても、国民健康保険に入っているから、医療費の心配をすることなく、病院へ行くことができます。
がんや難病などにかかったり、長期の入院が必要になったりするかもしれず、それに備えて民間の医療保険に入っている人も少なくありません。
でも、こういった民間の医療保険に入っていなくても、一部の特殊で高額な医療以外なら、国民健康保険の対象になっていますから、たいていの治療は国民が等しく安価で受けられるようになっています。
収入の低い人やない人にはそのための救済策も用意されていますから、経済的な理由で治療を受けられないということはほとんどありません。
介護も同じです。
もし、高齢になって介護が必要になったとき、保険がなく、実費分を負担しなければならなくなるということになれば、とても不安になります。
介護保険制度は、個人がそれぞれ支払う費用を社会全体が負担しようというものです。
民間の医療保険や生命保険がそうであるように、介護保険制度は、介護が必要になった人に給付され、国民が保険料を負担します。
保険制度の場合、運営の主体となっている者を保険者といいますが、この制度の保険者になっているは全国の市町村です。
ただし、国民が支払う保険料だけでは、介護サービスを利用した人の料金の総額を賄うことはできません。
よって、税金が投入されています。
日本の年間の国家予算額はおよそ100兆円ですが、そのうちの約30パーセントあまりが介護を含む社会保障費が占めているほどです。
被保険者といって、保険の適応を受ける人は、第1号被保険者と第2号被保険者の2種類に分けられています。
前者はすべての65歳以上の人で、後者は40歳以上65歳未満の医療保険加入者です。
前者は、要支援、要介護状態になれば介護サービスを受けることができ、その原因は問われません。
後者は、末期がんや16種類におよぶ特定疾病によって介護が必要になったときに限って介護サービスが受けられます。
介護サービスを受ける場合、原則として一割の負担をしなければなりません。
ただし、年収が280万円以上の人は、2割、あるいは3割の自己負担が必要となります。
そして、介護保険料の額は、第1号被保険者の場合、市町村ごとの条例で決めわられた基準額をもとにして、本人や世帯の所得などによって段階を分けて設定されているのです。
よって、市町村ごとに保険料は異なります。
ちなみに、現在の保険料の平均額は5869円です。
なお、第2号被保険者の場合、それぞれ加入する医療保険が健保組合や市町村国保など異なることから、保険料も異なります。
国保を例にとると、介護保険料の支払いは40歳から始まり、介護分の保険料と国保の保険料を一括して支払わなければなりません。
65歳以上になると、国保の保険料と介護保険料は年金から天引きされます。
第1号被保険者と第2号被保険者のひとりあたりの負担額はできるだけ同じようにしなければなりません。
そこで、人口割合によってこれまで3年ごとに見直されてきました。